北朝鮮を突き放す強さを

  北朝鮮は国内外に先軍政治を度々強調してきました。
国内の経済、食糧危機などの前に、軍を優先的に政策を立てる事が先軍政治です。国内に厳しい言論統制を布き逆らう者は生かしません。
また、日本に対しては、国家を挙げての日本人拉致を推し進め国内から北朝鮮へ拉致するという、日本国の主権、基本的人権を無視した蛮行に出たばかりか、日本国内に麻薬や大麻などの薬物などを不正に持ち込み、資金を調達しています。
  北朝鮮は本当に怖いのか?言っている事は本当なのでしょうか?

■博物館軍隊 朝鮮人民軍
 金正日が声高らかに叫ぶ先軍政治。その軍が朝鮮人民軍です。
 陸軍は27師団から成り、総兵力100万人。海軍は総艦艇690隻から成り、空軍は作戦機590機を保有していると言われています。
 この数字は防衛白書からのものなので、実際、機動するものは上記の数字以下です。
 数こそ立派なものですが、国民に兵役8年もの徴兵期間を強いている朝鮮人民軍の平均年齢は高くなり、戦闘能力の高い若い世代の兵士は少ないと言われています。
 また、陸軍の保有する戦車は第二次大戦時のものも未だに使っています。ソ連製T-34、1950年代のものではソ連製T-54、T-55やその他中国製のコピーT-59などで、実働するものは僅かです。
 燃料、保守部品の不足が顕著で戦車兵の技量も実戦で通用するか疑わしいものです。
 空軍を見てみましょう。600機と言われている保有機の内訳は次の様になっています。600機のうち大部分を占めるのが1950年年代に初飛行をしているソ連製のMiG-17、19、21戦闘機と左記の中国製コピーで、近代的なものと言うとMiG-29戦闘機16機、MiG-23戦闘機46機、Su-25対地攻撃機35機、計90機程です。
 搭乗員の技量も離着陸できるか否かぐらいのレベルで実戦などに使えるレベルではありません。
 海軍をみてみましょう。海軍は旧ソ連製の潜水艦26隻、フリゲート艦3隻、ミサイル艇43隻その他です。左記には工作員を乗せる特殊潜航艇などは含みません。
 海軍も陸軍、空軍と同様に旧式化が著しく、部品は無い(ロシアから武器が入ってこない。かといって、自国で生産する事も技術力の面から代用品程度のものが生産できれば良い方である)、という事から実働するものは限られてくる。
 朝鮮人民軍とはこの程度の低級軍隊である。南アフリカなどの軍隊、軍備の方がまだ先進的かもしれない。
 しかし、注意しなければならないものが2つある。それは、生物兵器を弾頭に搭載できる弾道ミサイルと特殊部隊です。
 朝鮮人民軍は韓国を射程に据える旧ソ連製スカッドCミサイルを30基保有している、このほかに、日本を射程に据える中距離弾道ミサイル「ノドン」を基数不明ながら保有している事が既に解っている。この他に射程2000キロに達するテポドン1を保有しており、98年に試射している。現在は射程5000キロに達すると言われているテポドンの改良型「テポドン2」を開発中である様だ。
 ただの弾道ミサイルで済めば他の兵器と同様、旧式兵器で片付けられるのだが、ここで問題になるのが弾頭に、核、生物化学兵器が搭載出来る所にある。
 北朝鮮は核関連施設の再稼動を宣言したが、核兵器そのものの信頼性は低く、例え搭載したとしても中途半端な結果に終わる可能性も大きい。
 北朝鮮はパキスタンにミサイルを輸出し、パキスタンは核実験を行いその結果が北に流れていると言われてはいるが、例え流れていても核兵器を完全装備したとは言い難く、その脅威は未だ未知数と言えよう。
 生物化学兵器の場合、余程の好条件が揃った場合以外は思うような結果が出るとは言い難い。
 北朝鮮のミサイル脅威は確かに高まりつつあるが、その脅威がどれ程のものかと言えば、マスコミなどが騒ぎ立てる程、大きな脅威ではない。
 もう一つの脅威、特殊部隊だが、意外な事に北朝鮮特殊部隊8万8千人を誇り特殊部隊規模世界一位である。特殊部隊は10個狙撃旅団、12個軽歩兵旅団、17個偵察連隊、1個空挺大隊等から成る。
 北朝鮮の特殊部隊は次の5つの任務を持っている。
 1.偵察
 2.通常戦力と連携して行う戦闘
 3.敵の後方での第2戦の確率
 4.北朝鮮本国の後方地域に於ける米韓連合軍特殊部隊への対処
 5.国内の治安維持
 の5つである。また、北朝鮮は特殊部隊侵入用の小型潜水艇、サンオ級21隻等を保有しており、平時から韓国国内へ特殊部隊を送り込み偵察や工作活動を行っているようだ。
 この特殊部隊は戦時になると、軍施設への破壊活動の他、情報を混乱させる工作を行ったり、暗殺などを行うと思われる。
 
 最後になるが、北朝鮮はもう一つ世界に誇れるものがある。それは「地下施設」である。現在北朝鮮本土は、全国要塞化を推し進めており軍の重要施設などが地下へと潜り始めている。
 その地下化技術はイラクや旧ユーゴスラビアにも技術員を派遣するなど一定の評価を得ているようだ。




(続く)